愛用のヘッドホン・イヤホン
今回は、日頃使用しているヘッドホンと貸し出しなどもしているインイヤーモニター、アクセサリーなどを紹介していきます。
音楽ライブやイベントなどで細かい調整やバランスを調整に関わる重要なアイテムなので、原音を忠実に再現でき、全体の雰囲気を作りやすいもの、エンジニアの負担軽減になるものを使用しています。
ヘッドホン
トーク系イベントの現場で使用しているスタジオで定番のAKG K240 Studioと音楽ライブで使用しているAKG K712PRO
の2つです。
AKG K240 Studio
スペック
タイプ | ダイナミック・セミオープン | ![]() |
用途 | ミックス、マスタリング、リスニング | |
インピーダンス | 55Ω | |
最大入力 | 200mW | |
再生周波数帯域 | 15Hz ~ 25,000Hz | |
入力感度 | 91dB/mW | |
プラグ形状 | 3.5mm金メッキステレオミニプラグ | |
ケーブル | 脱着式、ストレートミニXLRコネクタ、3.0m | |
重量 | 240g | |
イヤーパッド | アラウンドイヤー、脱着式、合皮製 | |
参考価格 (サウンドハウス | 7,800円 |
再生周波数帯域

使用感想
海外スタジオの定番と言われるだけあり、性能や使いやすさ、長年の信頼性は抜群です。セミオープン構造で、音抜けも良く、低域から高域までバランスよくフラットな感じです。また、軽量で側圧も軽いため、長時間の使用もできます。
おすすめ度
AKG K240 Studioは、あらゆる現場に対応でき、普段のリスニングにも使用できる点から、持っておいて損はないと思います。価格も手頃なため、これからの導入にもハードルは高くありません。
イヤーパッドに関しては、交換用(K271/K240 Velour Earpads 交換用イヤーパッド)でベロア製にできるものがありますので、そちらに交換した方が、引っ付き感が無くなりさらに使い勝手も良くなります。
AKG K712PRO
スペック
タイプ | ダイナミック・オープンエアー | ![]() |
用途 | ミックス、マスタリング、リスニング | |
インピーダンス | 62Ω | |
最大入力 | 200mW | |
再生周波数帯域 | 10Hz ~ 39,800Hz | |
入力感度 | 93dB/mW | |
プラグ形状 | 3.5mm金メッキステレオミニプラグ | |
ケーブル | 脱着式、ストレートミニXLRコネクタ、3.0m | |
重量 | 298g | |
イヤーパッド | アラウンドイヤー、脱着式、ベロア製 | |
参考価格 (サウンドハウス | 38,800円 |
再生周波数帯域

使用感想
新開発された高性能ユニットを搭載し、ハウジング内の空気の流れを最適化したことで、開放型にもかかわらず低域も豊かに鳴ります。音楽ライブなどの音を聴かせる現場で使用しています。すべての帯域を自然に、原音に忠実に鳴らし、繊細で透き通った音質です。こちらのモデルは、イヤーパッドがベロア製で、夏場などの熱い現場でも耳周りにパッドが引っ付く感じがなく、付け心地がとてもいいです。
おすすめ度
AKG K712PROは、最高品質の音で、音楽ライブやレコーディングのミキシング、マスタリングなどに最適です。ただ、講演会やトークイベントなどの、そこまで音質を気にしなくても良い現場では、AKG K240 Studio
で十分すぎるくらいですので、現場に合わせて使用することをおすすめします。音楽ライブやレコーディングなどが多い方には、おすすめします。
アクセサリー
現場で使用しているアクセサリーは、ケーブル、変換コネクタ、ヘッドホンスタンド、ヘッドホンケースです。
ケーブルに関しては、AKGはケーブル込みで音設定をしておりますので、純正ケーブルを使用しいます。変換コネクタも純正のステレオフォン変換コネクタを使用しています。予備で他社製の変換コネクタも数本持っています。
ヘッドホンスタンドは、エンジニア用でラックケースや机に取り付けて使用するK&M 16080、ステージ上でアーティストや出演者が使用するK&M 16090
を利用しています。
ケースは、Geekriaのヘッドホンケースを使用しています。大きさもちょうど良く、K240 StudioもK712PROもきれいに収まります。ケース内に小物を入れれる所があり、抑え用のバンドががあり、取っ手もあるので使いやすいです。
イヤホン
音楽ライブなどで、ステージモニターが聞き取りづらい現場や、動き回る方などへ貸し出しも行っているインイヤーモニターを紹介します。
ステージ上で使用することを目的としたqdc Live 5SL、スタジオやエンジニアが使用することを目的としたqdc Studio 4SS
です。また、KZ ZSN Pro Xも手軽で、様々な現場や普段のリスニングにも使用します。
qdc Live 5SL
スペック
タイプ | インイヤー、密閉型 | ![]() |
ドライバー | BA型、5基(片側) | |
インピーダンス | 42Ω | |
外音遮断 | 26dB | |
再生周波数帯域 | 20Hz ~ 20,000Hz | |
感度 | 106dB/mW | |
プラグ形状 | qdc 2pin 0.75mm | |
ケーブル | Soloタイプ3in1プラグ採用銀メッキ銅ケーブル、1.2m | |
参考価格 (サウンドハウス | 110,000円 |
再生周波数帯域

使用感想
ライブステージモニター用として作られていて、レンジが広く、豊かなでキレのある低域と、中高域の抜けも心地よい感じです。音の立ち上がりが非常に早く、余韻もあっさりとしています。装着感や遮音性はさすがと言えます。カスタマイズモデルとユニバーサルモデルがあり、貸し出しはユニバーサルモデルですが、滅多なことではズレたり、外れたりはないです。
おすすめ度
音楽ライブで、モニターの音が聞きづらいドラムや、ボーカルに使われることが多いです。全体的にバラスが良く、音のレスポンスや品質もとても良いため、気持ちよく演奏されています。
qdc Studio 4SS
スペック
タイプ | インイヤー、密閉型 | ![]() |
ドライバー | BA型、4基(片側) | |
インピーダンス | 17Ω | |
外音遮断 | 26dB | |
再生周波数帯域 | 20Hz ~ 20,000Hz | |
感度 | 106dB/mW | |
プラグ形状 | qdc 2pin 0.75mm | |
ケーブル | Soloタイプ3in1プラグ採用銀メッキ銅ケーブル、1.2m | |
参考価格 (サウンドハウス | 88,000円 |
再生周波数帯域

使用感想
サウンドエンジニア用として作られていて、タイトな低域と明瞭な高域があり、バラスが良く、フラットで原音に忠実な音質です。装着感や遮音性はqdcならではです。カスタマイズモデルとユニバーサルモデルがあり、使用しているのはユニバーサルモデルですが、滅多なことではズレたり、外れたりはないです。
おすすめ度
移動や出演者の入れ替わりが多い現場で使用しています。ミキサーから離れて使う場合が多いため、ポータブルヘッドホンアンプを使用しています。大きな会場ではワイヤレスタイプを使用しています。SRスピーカーからの出力と聞き比べながら調整することも出来るので、重宝しています。
KZ ZSN Pro X
スペック
タイプ | インイヤー、密閉型 | ![]() |
ドライバー | BA型 4基 + DD型 1基(片側) | |
インピーダンス | 29Ω | |
外音遮断 | – | |
再生周波数帯域 | 20Hz ~ 40,000Hz | |
感度 | 112dB/mW | |
プラグ形状 | B-type 2pin 0.75mm | |
ケーブル | 銀メッキ銅ケーブル、1.2m | |
参考価格 (amazon) | 4,399円 |
再生周波数帯域

使用感想
こちらも中華系イヤホンですが、高音質で安価なKZ Audioの製品です。豊かな低域とクリアで素直な中域、高域は艶のあるバランスの取れた音質です。装着感や遮音性はこちらも優れています。KZ Audioでは、このタイプのイヤホンとBluetooth受信機を組み合わせれる物が発売されており、その組み合わせで使用することが便利で多くあります。
おすすめ度
講演会や小型のイベントなどで、ミキサーから離れることが多い現場で、Bluetoothを使用した簡易ワイヤレスタイプとして使用しています。また普段のリスニングや作業中の使用などでも使用しています。
現場での使用というよりは、普段使いや小規模の現場での使用のおすすめをします。
アクセサリー
イヤホンのアクセサリーは、ケーブル、変換コネクタ、イヤーチップ、イヤホンケース、ヘッドホンアンプです。
ケーブルは、8Coreの金メッキ/銀メッキ銅ケーブル 1.2mを使用しています。
変換コネクタは、予備も含めて3.5mmステレオミニプラグから¼”ステレオフォンプラグに変換するものを使用しています。
イヤーチップは、AZLA SednaEarfit XELASTECを使用しています。吸い付くようなフィット感で、遮音性や脱落防止の向上、肌の安全性が考慮された製品です。
ケースは、TANGZUのイヤホンケースを使用しています。ケーブルを接続したまま収納ができ、ケーブルや本体にも負担が少ないので純正よりこちらを使用しています。
ヘッドホンアンプは、モニター用でポータブル可能なART HP-1やBEHRINGER P1
を使用しています。
まとめ
音楽ライブなど音を聴かせる現場では、AKG K712PROやqdc Live 5SL、qdc Studio 4SSを使用し、講演会やトークイベントの現場では、AKG K240 StudioやKZ ZSN Pro Xを使用しています。
聴かせる現場は、一つ一つにとても神経を使い、丁寧で迅速な作業が必要なので、金銭面よりエンジニアの負担軽減を考えて音作りのしやすいツールを使うようにしています。講演会やトークイベントが雑でいいというわけではなく、そちらもしっかりと作業していくのですが、会場全体を一つの音楽で包み込むというのは、想像以上に神経を使うので、軽減できるところはできるだけ軽減し、よりよいものを作ってい行こうと思っています。
AKG K240 Studioでも十分に良質な音は出せますが、さらに良いものを求めていきたいと思っています。