各社オーディオインターフェースの違い
マイクや楽器からの音声信号をPCに取り込む際に必要なオーディオインターフェースですが、色々な会社から様々なモデルが販売されていて、今一どのような違いがあるのか分からないので、有名メーカー数社の中からUSB接続タイプのものを項目ごとに比較してみようと思います。
基本機能
今回は、FOCUSRITE、MOTU、PreSonus、STEINBERG、UNIVERSAL AUDIOの5社から、USB Type-C接続の2chモデルを比較してみました。
各社比較
メーカー | FOCUSRITE | MOTU | PreSonus | STEINBERG | UNIVERSAL AUDIO |
シリーズ | Scarlett | M | Studio | IXO | VOLT |
モデル | Scarlett 2i2 Gen.4 | M2 | Studio 24c | IXO22 | VOLT 2 |
![]() ![]() | ![]() ![]() | ![]() ![]() | ![]() ![]() | ![]() ![]() | |
最大ビットレート | 192kHz/24bit | 192kHz/24bit | 192kHz/24bit | 192kHz/24bit | 192kHz/24bit |
接続方法 | USB Type-C | USB Type-C | USB Type-C | USB Type-C | USB Type-C |
入力 | 2ch | 2ch | 2ch | 2ch | 2ch |
前面端子 | ¼”TRS x2 | XLR Combo x2 | XLR Combo x2 | XLR Combo x2 | XLR Combo x2 |
背面端子 | XLR x2 | ||||
周波数特性 | 20Hz – 20kHz | 20Hz – 20kHz | 20Hz – 20kHz | 20Hz – 20kHz | 20Hz – 20kHz |
MIDI | 1入力 | 1入力 | 1入力 | 無 | 1入力 |
ファンタム電源 | 48V 一括 | 48V 各CH独立 | 48V 一括 | 48V 一括 | 48V 一括 |
Hi-Z | 対応 | 非対応 | 非対応 | CH2のみ対応 | 対応 |
出力 | 2ch | 2ch | 2ch | 2ch | 2ch |
背面端子 | ¼” TRS x2 | ¼” TRS/RCA x2 | ¼” TRS x2 | ¼” TRS x2 | ¼” TRS x2 |
周波数特性 | 20Hz – 20kHz | 20Hz – 20kHz | 20Hz – 20kHz | 20Hz – 20kHz | 20Hz – 20kHz |
MIDI | 1出力 | 1出力 | 1出力 | 無 | 1出力 |
ヘッドホン | ¼”TRS x1 前面 | ¼”TRS x1 前面 | ¼”TRS x1 背面 | ¼”TRS x1 前面 | ¼”TRS x1 前面 |
電源供給方法 | DC 5V USB-C | USB バスパワー | USB バスパワー | DC 5V USB-C | DC 5V Adapter |
サイズ WxDxH mm | 180 x 117 x 48 | 191 x 108 x 45 | 180 x 140 x 44.5 | 158 x 102 x 47 | 174 x 130 x 50 |
重量 (g) | 595g | 610g | 900g | 450g | 1,000g |
参考価格 | 27,000円 | 36,000円 | 17,600円 | 17,400円 | 31,000円 |
対応OS | Win10, Mac OS X | Win10, Mac OS X | Win10, Mac OS X | Win10, Mac OS X | Win10, Mac OS X |
付属ソフトウエア | Ableton Live Lite | Ableton Live Lite MOTU Performer Lite | Studio One Artist | Cubase AI / LE STEINBERG PLUS | Ableton Live Lite |
入力部
全社各チャンネルXLRと¼”TRSバランス入力に対応しています。基本的には機器前面にXLR Combo入力がありますが、FOCUSRITE Scarlett 2i2は前面に¼”TRS、背面にXLRとなり、STEINBERG IXO22はCH2のみHi-Z入力(¼”TRS)が備わっています。
周波数特性は全て20Hz – 20kHzとなっております。
ファンタム電源は、MOTU M2が各チャンネル独立で、他が2チャンネル一括となっております。
Hi-Zは、FOCUSRITE、STEINBERG(CH2のみ)、UNIVERSAL AUDIOの3社が対応、MOTU、PreSonusの2社が非対応となっております。
MIDI入力はSTEINBERG以外の4社に1つ装備しています。
出力部
全社2チャンネル出力があり、背面に¼”TRSバランス出力、MOTU M2はRCAアンバランス出力にも対応しています。
周波数特性は全て20Hz – 20kHzとなっております。
MIDI出力はSTEINBERG以外の4社に1つ装備しています。
ヘッドホン出力は、全社1出力あり、¼”TRS端子、PreSonusのみ背面に装備しています。
電源部
MOTU M2、PreSonus Studio 24cはUSBバスパワー、FOCUSRITE Scarlett 2i2、STEINBERG IXO22は別途USB Type-CによるDC5V電源供給、UNIVRSAL AUDIO VOLT 2はDC5Vアダプタによる電源供給となります。
MOTU M2、PreSonus Studio 24cは、PCと接続するだけで電源が入ります。その他3社は、PC接続とは別に電源が必要です。
操作部
全社共通事項は、各チャンネル独立入力ゲインノブ、出力マスターノブ、ヘッドフォン出力ゲインノブがあります。
ファンタム電源ボタンはMOTU M2が各チャンネル独立、他4社が2チャンネル一括となります。
その他に、FOCUSRITE Scarlett 2i2は、Select(プリアンプ切替)、Air(Airモード)、Inst(Hi-Z切替)、Auto(オートゲイン)、Safe(クリップ回避)があります。
MOTU M2は、MON(ダイレクトモニタリング切替)があります。
PreSonus Studio 24cは、Mixerノブ(Input/Playback調整)があります。
STEINBERG IXO22は、各チャンネル独立Mute、MON(ダイレクトモニタリング切替)があります。
UNIVERSAL AUDIO VOLT 2は、VINTAGE(プリアンプ切替)、INST(Hi-Z切替)、DIRECT(ダイレクトモニタリング切替)があります。
サイズ、重量
サイズに関して、高さには5社とも45mm前後で左程変わりはありません。PreSonus Studio 24cはラックマウント1Uの高さです。横幅は最大で191mm、最小158mmとなり、33mmの違いなので気にならない程度の差です。奥行きは、Scarlett 2i2、M2、IXO22が110mm前後で、Studio 24cが140mm、VOLT 2が130mmとなり、気にならないほどの差です。
STEINBERG IXO22が最も小さく、他4社は左程大きさの差は感じません。
重量は、STEINBERG IXO22が450gと最も軽く、FOCUSRITE Scarlett 2i2とMOTU M2が600g前後ですが、PreSonus Studio 24cは900g、UNIVERSAL AUDIO VOLT 2は1kgとなり倍近くの重さがあります。
対応OS、付属ソフトウエア、価格
対応OSは全社Windos10以降、Mac OS X以降となります。詳細は各社Webサイトでご確認ください。現在販売されているPCには対応できると思います。
付属DAWソフトウエアは、PreSonus Studio 24cがPreSonus Studio One Artist、STEINBERG IXO22がCubase AI/LE+STEINBERG PLUSです。FOCUSRITE Scarlett 2i2、MOTU M2、UNIVERSAL AUDIO VLOT 2はAbleton Live Lite、MOTU M2にはMOTU Performer Liteも付属します。
付属ソフトウエア以外のソフトウエアでも動作します。
価格はサウンドハウスさんを参考にしていますが、17,500円前後~36,000円程となります。PreSonus Studio 24cやSTEINBERG IXO22は2万円を切る価格となっており、初めての方でもお求め安くなっています。この5社の中ではFOCUSRITE Scarlett 2i2が中間の価格となっておりますが、25,000円~30,000円くらいが一般的だと思います。MOTU M2は35,000円を超える価格となっていますが、プロフェッショナル向けの機器を取り扱うメーカーということもあり、MOTUの中ではお手頃と言えます。
まとめ
今回は人気のある5社から販売されている2チャンネルモデルの中でも手頃なモデルを比較してみました。
全社共通して、PCとの接続方法はUSB Type-C、ビットレートは192kHz/64bit、ファンタム電源に対応し、XLRと¼”TRSバランス入力に対応、ヘッドフォン出力は1つで¼”TRS端子を装備、対応OSはWindows10以降、Mac OS X以降です。見た目や基本的な性能に差はありませんが、操作面などで各社違いを感じます。MOTU M2とPreSonus Studio 24cは、電源供給がUSBバスパワーで、PCと接続するだけで起動できます。Studio 24cは900gと持ち運びには少し重く、M2の方が有利ですが、価格面で少し抵抗感があります。FOCUSRITE Scarlett 2i2とSTEINBERG IXO22は電源は別途USB Type-C接続供給なので、モバイルバッテリーからでも供給は可能です。さらに重量も500g前後のため持ち運びにも有利です。UNIVERSAL AUDIO VOLT 2は、DCアダプタ供給なので、AC電源が必要です。野外での使用も考えている方には不利になることもあるかもしれません。
これから使い始める方には、STEINBERG IXO22が価格面も持ち運びも手軽なのではないかと思います。また、付属DAWソフトも人気のCubaseです。おそらく国内では1番有名なのではないかと思います。
個人的にはFOCUSRITE Scarlett 2i2が使い慣れているのでおススメしますが、Presonus Studio 24cも直感的で使いやすいです。MOTU M2やUNIVERSAL AUDIO VOLT 2は持ち歩いて使用するというよりは、据え置きで使用する方が、電源や環境の影響がない状態で使用できるので良いかと思います。MOTUを選ばれる方は、おそらく音質が良いということで選ばれていると思いますので。