エントリークラスのパワードスピーカー比較
今回は、BEHRINGER、JBL、YAMAHAの中で8インチモデルと10インチモデルのポータブルパワードスピーカを比較していきます。野外での弾き語りライブや小規模のトークイベントなどで活躍するクラスです。数名をターゲットにしたモデルから50名程をターゲットにしたモデルまで様々です。
ポータブルパワードスピーカー
数あるメーカーの中でもイベントでよく見かける3社、BEHRINGER、JBL、YAMAHAの中からエントリークラスのポータブルパワードスピーカーを性能や装備ごとに比較してみました。
性能比較
メーカー | BEHRINGER | BEHRINGER | BEHRINGER | JBL | YAMAHA |
シリーズ | EUROLIVE | EUROLIVE | DR-DSP | IRX | DBR |
モデル | B108D | B110D | DR110DSP | IRX108BT | DBR10 |
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Woofer | 8 inch | 10 inch | 10 inch | 8 inch | 10 inch |
Tweeter | 1.0 inch | 1.0 inch | 1.4 inch | 1.4 inch | 1.4 inch |
Max. SPL | – | – | 132dB | 124dB | 129dB |
周波数特性 | 55Hz – 20kHz | 45Hz – 20kHz | 55Hz – 19kHz | 54Hz – 20kHz | 55Hz – 20kHz |
指向性角度 | – | – | 水平 90° | 水平 90° | 水平 90° |
– | – | 垂直 60° | 垂直 60° | 垂直 60° | |
定格出力 | 150W | 150W | 500W | 650W | 325W |
入力端子 | 1x ¼”TRS/XLR | 1x ¼”TRS/XLR | 2x XLR Combo | 2x XLR Combo | 2x XLR Combo |
出力端子 | 1x XLR | 1x XLR | 1x XLR | 1x XLR | 1 XLR |
ポールソケット | 35mm | 35mm | 35mm | 35mm | 35mm |
消費電力 1/8出力 | 50W | 50W | 75W | 100W | 60W |
サイズ WxDxH mm | 248 x 220 x 380 | 299 x 252 x 483 | 302 x 312 x 516 | 313 x 258 x 486 | 308 x 289 x 493 |
重量 kg | 6.2kg | 8.1kg | 13.8kg | 7.9kg | 10.5kg |
参考価格 | 29,500円 | 38,400円 | 49,800円 | 43,760円 | 55,700円 |
入力部
BEHRINGER B108DとB110Dは、¼”TRSまたはXLRの1入力が装備されています。。
BEHRINGER DR110DSP、JBL IRX108BT、YAMAHA DBR10は、¼”TRS/XLR Comboの2入力が装備されています。。
JBL IRX108BTには、Bluetoothオーディオストリーミングで音楽、サウンドトラック、バックトラックを再生し、ワンタッチダッキングでBGMに声を重ねることができます。
全てのモデルに¼”TRSまたはXLRの入力が装備されているので、マイクから直接またはオーディオインターフェイス、ミキサーを介しての入力が可能です。
出力部
全てのモデルに、XLRの1出力が装備されています。1つ目のパワードスピーカーに入力した音声を2つ目以降のパワードスピーカーに出力することができます。
定格出力は、BEHRINGER B108DとB110Dが150W、BEHRINGER DR110DSPが500W、JBL IRX108BTが650W、YAMAHA DBR10が325Wとなっています。
目安として、講演会などのトーク系は定格出力÷10=対応人数、音楽ライブなどの演奏系は定格出力÷20=対応人数です。
その他
周波数特性は、BEHRINGER B108D、JBL IRX108BT、YAMAHA DBR10が55Hz~20kHz、BEHRINGER DR110DSPが55Hz~19kHz、BEHRINGER B110Dが45Hz~20kHzとなっています。
全てのモデルが約50Hz~20kHzと差はそれほどありません。
ポールソケットはすべてのモデルに装備されていますが、BEHRINGER B108Dには持ち手が装備されていません。
全てのモデルが直径35mmのスピーカスタンドに対応しています。BEHRINGER B108Dには持ち手はありませんが、小型で軽量なので持ち運びにはそれほど困りません。
消費電力は、BEHRINGER B108DとB110Dが50W、BEHRINGER DR110DSPが75W、JBL IRX108BTが100W、YAMAHA DBR10が60Wとなっています。
1/8出力(最大より9dB低い出力)は、通常の音楽信号で時々クリップする程度の出力を想定したものです。この状態で十分な音量や性能を発揮できています。
重量は、BEHRINGER B108Dが最も軽く6.2kg、BEHRINGER B110DとJBL IRX108BTが8kg前後、YAMAHA DBR10が10.5kg、BEHRINGER B110Dが少し重く13.8kgとなっています。
10kg前後までですと持ち運びも容易でスピーカースタンドに乗せる際も楽です。
価格
価格はサウンドハウスさんを参考にしています。
BEHRINGER B108Dが3万円を切る安さで、BEHRINGER B110Dが4万円弱という手軽さ、JBL IRX108BTが4万5千円弱で、BEHRINGER DR110DSPが約5万円、YAMAHA DBR10が約5万6千円となっています。
まとめ
ポータブルパワードスピーカーは、スピーカーとアンプが一体となったことにより、マイク、オーディオインターフェイス、PC、ミキサー類とそれを持ち合わせるだけで講演会や弾き語りライブなどが手軽に行える点があります。手荷物が減りポータブル電源や小型発電機などで電気を賄うことにより、スペースも小さく済み、演者1人でも簡単に音が出せます。また複雑な接続もないため、ケーブル類も少なく済み、接続ミスによる音が出ない状況も減らせます。上記ポータブルパワードスピーカーとマイク、オーディオインターフェイス、PC、インイヤーモニターなどをうまく組み合わせれば、300W~600W程度のポータブル電源で1ステージ賄うことができると思います。
サウンドエンジニアは居ても居なくても音は出せますが、多くの人々の心に音を届けるためには、信頼できるサウンドエンジニアに依頼をすることも重要です。
野外でのちょっとした弾き語りライブや街頭演説などでは、BEHRINGER B108DやB110Dでいいと思います。消費電力も少なく、小型で軽く、安く導入できるところ上がります。
BEHRINGER DR110DSP、JBL IRX108BT、YAMAHA BDR10は、消費電力、価格もある程度しますので、30名~の弾き語りライブや講演会などに良いと思います。